金沢文庫 運慶展 ~鎌倉幕府と霊験伝説~
行ってきました、金沢文庫の特別展「運慶」。
チラシのキャプションとして「鎌倉ナクシテ運慶ナシ」
最新の研究成果から大仏師運慶を読み解く
重要文化財指定記念公開曹源寺十二神将像
開催は3月11日(日)までです。
平成29年の東京国立博物館での「運慶展」(ブログ記事)との協力開催ということですが、
そこは鎌倉文化圏の意地(笑)、東京の「運慶展」とはまた違うものを見させて
いただけましたよ(*^^*)
金沢文庫の「運慶展」の「売り」は、なんといっても、金沢文庫が管理している、
(お隣)称名寺塔頭光明院の重要文化財・運慶作「大威徳明王像」ですね。
こちらは東京の運慶展にも出陳されていましたが、平成18年の修理時に世紀の大発見があったという
曰く付きの作品で、取り出された像内納入品の紙から運慶の作(運慶最晩年)とわかりました。
金沢文庫では、この巻紙のようなもの、同時に納められていた蓮のタネの舎利容器、密教修法に
用いられる丁字(ちょうじ)と抹香も展示されていました。
東京の運慶展でも話題となった極彩色の滝山寺(愛知)の梵天立像(重文、運慶・湛慶合作とされる
源頼朝供養像)、康慶作の地蔵菩薩坐像(重文、静岡・瑞林寺)など、重なる展示もあるので、
展示規模は小さいものの見どころがありますので、東京で見逃したかたにもおすすめします。
また、鎌倉文化圏ならでは、ともぐままが感銘を受けたのは、鎌倉三十三観音巡礼の
いくつかの札所の寺院からの出品物(仏(笑))です。
鎌倉観音第七番札所の光触寺(こうそくじ)(ブログ記事)から、札所本尊の観音ではなく、
お寺のご本尊の阿弥陀三尊像(重文)、通称頬焼(ほおやけ)阿弥陀、そしてお軸に描かれた
阿弥陀三尊像、頬焼阿弥陀縁起絵巻(重文)の出陳です。
お寺では通常拝見できない頬焼阿弥陀には以前から興味があり・・・頬に焼印の跡があるという
仏様とはいったい・・・?
<ネタばれ>
実際に拝見したところ、中尊の阿弥陀さまは火災に遭ったかのようで、前面が黒く焼けている
ように見えました。肝心のお顔ですが、額から顎にかけてやはり焼けているようで、
確かに両頬は焼けているのですが、意外にもこめかみから下の顔のサイドは焼けていないようでした。
「焼印」にあたるものは見当たらなかったように思うのですが、焼けていないところと焼けているところ、
はっきりと分かれるので、それをもって「焼印」としたのでしょうか。
鎌倉観音第十二番札所の教恩寺(ブログ記事)から、お寺のご本尊の阿弥陀三尊像。
第二十四番札所の寿福寺(ブログ記事)から薬師如来坐像(重文)。
いずれも慶派の特徴がよく出ているようで、慶派仏師によるものか、あるいは慶派の仏像を
真似たものなのでしょう。
改めて、鎌倉と慶派仏師が密接につながっていたのだ、ということがわかりました。
鎌倉観音巡礼をやっていても、これらは拝見できる機会がほとんどない仏像なので
とてもありがたい気持ちになり、思わず会場で手を合わせたくなりました。
もっと詳しく↓
金沢文庫を出て・・・
お隣の称名寺に行ってみました。
金堂にお参り。
カメラを持っていなくて、スマホの写真はだめですわ~(>_<)
2013年5月の称名寺ライトアップ(ブログ記事)の時の画像です^^
今年のライトアップは4月28日から5月6日、また、5月3日には野村萬斎さんも出演される
称名寺薪能が催されます。
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チラシのキャプションとして「鎌倉ナクシテ運慶ナシ」
最新の研究成果から大仏師運慶を読み解く
重要文化財指定記念公開曹源寺十二神将像
開催は3月11日(日)までです。
特別展「運慶-鎌倉幕府と霊験伝説-」は1月13日(土)から3月11日(日)まで開催します。当館には駐車場はありません(障がい者用を除く)ので、ご来館には公共交通機関をご利用ください。皆さまのご来館をお待ちしております! #金沢文庫 #運慶 #運慶展 pic.twitter.com/OOXf3PLcVN
— 神奈川県立金沢文庫 (@Kanagawa_bunko) 2018年1月12日
平成29年の東京国立博物館での「運慶展」(ブログ記事)との協力開催ということですが、
そこは鎌倉文化圏の意地(笑)、東京の「運慶展」とはまた違うものを見させて
いただけましたよ(*^^*)
金沢文庫の「運慶展」の「売り」は、なんといっても、金沢文庫が管理している、
(お隣)称名寺塔頭光明院の重要文化財・運慶作「大威徳明王像」ですね。
こちらは東京の運慶展にも出陳されていましたが、平成18年の修理時に世紀の大発見があったという
曰く付きの作品で、取り出された像内納入品の紙から運慶の作(運慶最晩年)とわかりました。
金沢文庫では、この巻紙のようなもの、同時に納められていた蓮のタネの舎利容器、密教修法に
用いられる丁字(ちょうじ)と抹香も展示されていました。
東京の運慶展でも話題となった極彩色の滝山寺(愛知)の梵天立像(重文、運慶・湛慶合作とされる
源頼朝供養像)、康慶作の地蔵菩薩坐像(重文、静岡・瑞林寺)など、重なる展示もあるので、
展示規模は小さいものの見どころがありますので、東京で見逃したかたにもおすすめします。
また、鎌倉文化圏ならでは、ともぐままが感銘を受けたのは、鎌倉三十三観音巡礼の
いくつかの札所の寺院からの出品物(仏(笑))です。
鎌倉観音第七番札所の光触寺(こうそくじ)(ブログ記事)から、札所本尊の観音ではなく、
お寺のご本尊の阿弥陀三尊像(重文)、通称頬焼(ほおやけ)阿弥陀、そしてお軸に描かれた
阿弥陀三尊像、頬焼阿弥陀縁起絵巻(重文)の出陳です。
お寺では通常拝見できない頬焼阿弥陀には以前から興味があり・・・頬に焼印の跡があるという
仏様とはいったい・・・?
<ネタばれ>
実際に拝見したところ、中尊の阿弥陀さまは火災に遭ったかのようで、前面が黒く焼けている
ように見えました。肝心のお顔ですが、額から顎にかけてやはり焼けているようで、
確かに両頬は焼けているのですが、意外にもこめかみから下の顔のサイドは焼けていないようでした。
「焼印」にあたるものは見当たらなかったように思うのですが、焼けていないところと焼けているところ、
はっきりと分かれるので、それをもって「焼印」としたのでしょうか。
鎌倉観音第十二番札所の教恩寺(ブログ記事)から、お寺のご本尊の阿弥陀三尊像。
第二十四番札所の寿福寺(ブログ記事)から薬師如来坐像(重文)。
いずれも慶派の特徴がよく出ているようで、慶派仏師によるものか、あるいは慶派の仏像を
真似たものなのでしょう。
改めて、鎌倉と慶派仏師が密接につながっていたのだ、ということがわかりました。
鎌倉観音巡礼をやっていても、これらは拝見できる機会がほとんどない仏像なので
とてもありがたい気持ちになり、思わず会場で手を合わせたくなりました。
もっと詳しく↓
金沢文庫を出て・・・
お隣の称名寺に行ってみました。
金堂にお参り。
カメラを持っていなくて、スマホの写真はだめですわ~(>_<)
2013年5月の称名寺ライトアップ(ブログ記事)の時の画像です^^
今年のライトアップは4月28日から5月6日、また、5月3日には野村萬斎さんも出演される
称名寺薪能が催されます。
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