横浜 三溪園の三重塔 旧燈明寺を探して

浄瑠璃寺の茶屋で思いがけなく横浜・三溪園(三渓園・さんけいえん)の
三重塔のお話を伺い(ブログ記事)、京都府木津川市で旧燈明寺を探します。

JR加茂駅の東側、まず御霊(ごりょう)神社を見つけなければなりません。
カーナビには御霊神社は出ておらず
(この時点でどうしてググらなかったのだろう(苦笑))
しかし、加茂駅の東側の山が「燈明寺山」と出ていて、
このあたりに燈明寺があったのは間違いないでしょう。

JR関西本線に突き当たり、見つからないねと戻りかけると、
山側の住宅街の中にちらりと白い鳥居らしきものが見えました。
「鳥居があった!」

加茂 御霊神社1


「朱色」を意識していたので意外でした。
車を下りてみました。

御霊神社というのですから、御霊信仰により、非業の死を遂げた「怨霊」の霊を鎮め、
「御霊」として祀ることで、その絶大なネガティブパワーをポジティブの方向に転換して
繁栄を祈る、そういう神社である可能性があります。

加茂 御霊神社2


御祭神は崇道天皇(すどうてんのう)(=早良親王(さわらしんのう))他7柱となって
いるので、やはり怨霊をお祀りしているのですね。
桓武天皇の同母弟、早良親王は長岡遷都の政争で暗殺事件の嫌疑をかけられ、
無実を訴え絶食し、淡路への配流の途中で憤死したのでした。
その後、桓武天皇の周囲で不幸が続き、また疫病や洪水などが起こったため、
早良親王は崇道天皇と追号され、淡路から大和へ移葬されました。

御霊神社のご由緒の石碑は見つかったものの、鳥居だけで本殿は見当たりませんし、
燈明寺の手掛かりもありません。
困りました (´・ω・`)

しかし、この鳥居から東の山の方向にまっすぐに、遊歩道のような、参道のような
道が続いているので、これを行くと御霊神社の本殿があるのかもしれません。
もぐままは周囲にも気を配りながら歩いて行ってみます。

結局、川に出てしまったのですが・・・

加茂 御霊神社3


あーっ、川の向こうの山(きっと燈明寺山)の麓に神社が見えます。
もぐぱぱも川のほとりにちょっと車を置かせていただいて、一緒に行ってみます。

加茂 御霊神社4


石段の先に鳥居です。
しかし、これは御霊神社だろうし、燈明寺跡はどこにあるのでしょう。
御霊神社に行ってみてわかるとよいのですが・・・。

石段のところに地元のおばさまがいらしたので声を掛けてみました。
「ここは御霊神社ですよね。燈明寺というお寺のあったところを探しているのですが。」
「燈明寺は御霊神社の横よ。」
あっさりと判明(^◇^)

運動不足解消のために寺社散策を始めた頃、何も知らない私は、お寺の中に
鳥居を発見した時はとても違和感を覚えたものですが、神仏習合の、
寺院と神社がセットで存在するのを多々見てきたので、そうではないかな、とは
思いました。

ともかく石段を上がります。

なかなか立派な神社です。

加茂 御霊神社5


何がしかの建物はあっても神職さんなどの人影はありません。

手水舎はありますが・・・

加茂 御霊神社6


水は出ていません。

ひっそりとしています。

ともかくまず御霊神社をお参りです。

加茂 御霊神社7


お参りしてびっくり。
立派なはずです。
御霊神社本殿は国の重要文化財!

加茂 御霊神社8


もと燈明寺の鎮守社として奈良氷室神社の古社殿を移建したと伝えられる。
本殿は南北朝期創建の三間社流れ造檜皮葺。

本殿を守っている茶色い狛犬さん。
木製のようにも見えますが、焼き物のようです。
珍しいですよね。
そして本殿の両脇に見えるのは「脇障子舞楽図」。
説明板があり、向かって左側が「納曽利(なそり)」の舞い、
右側が「蘭陵王(らんりょうおう)」の舞いだということです。
どちらの裏側にも力士が描かれているそうです。

加茂 御霊神社9



加茂 御霊神社 狛犬


こんなに人気(ひとけ)もなく、しかし素晴らしい穴場的神社を発見した時点で、
やったー!という気分です(*^_^*)

燈明寺跡は左手のようです。
行ってみます。

ありました!これが全体像です。

燈明寺跡6


意外にも、燈明寺本堂跡も国の重要文化財!

燈明寺跡4


柵で囲われた場所はそれほど広くはありません。
奥はおそらく収蔵庫で、敷地の中心に石灯籠。

燈明寺型石灯籠(模作) 江戸時代中期
火袋や中台の側面の意匠の特徴から燈明寺型と呼ばれる名物灯籠。鎌倉時代に作られた当初のものを三井家に売却したときに模作したもの。



旧燈明寺本堂跡(要約)
かつてここに旧燈明寺の本堂が建っていた。桁行5間、梁間6間、屋根は入母屋造り、本瓦葺の建物であった。大正10年(1921)に「特別保護建造物」(のちの重要文化財)に指定。
寺伝では、賢昌房忍禅が康正3年(1457)頃に建てたとされているが、建築史的には室町時代初期頃の建立。江戸時代の寛文3年(1663)藤堂家の支援で修理、寛延4年(1751)日賢により改修。
20世紀になり荒廃、昭和23年(1948)頃の台風で壊滅的被害。その後解体され、部材はここで保管されていたが、昭和56年に横浜市の三渓園に寄贈され、翌年から移築修復工事、昭和62年に竣工。
何度かの改修で建物の構造は少しずつ変わって行ったようだが、三渓園ではほぼ創建時に復元された本堂を見ることができる。



敷地の脇に、改修を行ったという日賢の名が刻まれた石碑がありました。

燈明寺跡1


梵鐘は生きて(!)いました。

燈明寺跡3

梵鐘 貞享5(1688)年
貞享5年4月に、住職日進と檀家が協力して鋳造した旨の銘がある。鐘楼は御霊神社右の高台にあった。



石碑

燈明寺跡5


燈明寺本堂が三溪園に移築後、その跡に東京都の正法護持財団が
収蔵庫を造り燈明寺の観音像5躯を収め、平成元年に
川合京都仏教美術財団が引き継ぎ保存することとした、旨のことが
記されています。

三溪園に移築された燈明寺三重塔

三溪園2016秋18


燈明寺本堂

三溪園春8


自宅でいろいろ調べているうちに、三溪園のHP内の「三溪園だより」に
燈明寺についての記述があるのを見つけたので、参考のために
リンクを置いておきます。

2013/05/10
公開される建物情報<第1回>「旧燈明寺三重塔」

2013/05/13
公開される建物情報<第2回>「旧燈明寺三重塔 その2」

2013/05/15
公開される建物情報<第3回>「旧燈明寺本堂」


「三溪園だより」にある絵図によると、三重塔は御霊神社の社殿の右手裏、
鐘楼は御霊神社境内を挟んで本堂と向かいあうように建てられていたと
見られますね。
執筆者のかたが燈明寺の場所がわからず、地元の若いかたに聞いてもわからず、
年配のかたが「御霊神社のことだ」と教えていた、という記述に、
我々の場合、近くに年配のかたがいらしてくださって助かりました(^◇^)
また、木津川観光ガイドのHPによると、毎年11月3日に、
灯明寺の収蔵庫と御霊神社本殿の一般公開が行われるとのことです。

ちょっとした立ち話のご縁から、楽しい「お寺探偵」の時間となりました(*^_^*)

三溪園春10


(8月18日参拝)


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立派な一木造りの阿弥陀如来に仰天 南山城 岩船寺

南山城(みなみやましろ)・当尾(とうの)の里の浄瑠璃寺(ブログ記事)を訪れ、
近くに岩船寺(がんせんじ)というのがあるので行ってみようと。
岩船寺ってテレビのお寺番組で見た記憶がないし、名前をちらりと聞いたことがある程度。
ともかく、行ってみます。

岩船寺近くで駐車場を探すのですが、車でお寺巡りをするかたはご存じだと思うのですが、
駐車場とあるから停めて歩いたら、まだその先、お寺のすぐ近くにも駐車場があった、
なんてことがあるのです。

てことで、岩船寺駐車場はあったのですが、まだあるんじゃないかと車を走らせたら、
狭い山道に入ってしまい、戻ることもできず・・・。
広い道に出た、と思ったら、そこは「ミロクの辻」というところでした。
(横溝正史の小説なんかに出てきそう(笑)。)

看板らしきものがあるので降りてみました。
アスファルトの道路であるにもかかわらず、どこからか湧水が湧いているようで、
水がちょろちょろと流れています。
道端の草むらでぴょーんと、恐らくカエルだと思いますが飛び跳ねました。

弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)

当尾 弥勒磨崖仏1


むき出しの岩に線彫りがなされています。
文永11年(1274)笠置寺の弥勒如来磨崖仏を写したもので、
笠置に近い当尾での弥勒信仰を物語る作例だそうです。

近くに寄ってみたのですが・・・

当尾 弥勒磨崖仏2


全体像ははっきりしないのですが、衣の衣紋のようなのは見て取れます。

浄瑠璃寺や岩船寺のあたりはかつて小田原と呼ばれ、お寺や修行場が点在していたそうで、
磨崖仏や石仏、石塔が多数残っています。

「当尾の石仏を訪ねるみち」は「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれていて、
もぐまま、とっても興味を引かれております。
今回は時間的余裕がないのですが、いずれまた石仏巡りをしてみたいなぁ(*´-`)

来た道を戻り、駐車場に車を止めたら、そこが岩船寺のまん前でした(´~`ヾ)

真言律宗、高雄山岩船寺 山門

岩船寺 山門


お寺の表札に紫陽花が描かれているように、岩船寺も、訪れた浄瑠璃寺も
「関西花の寺二十五ヶ所霊場」の札所寺院です。

山門のちょっと手前のところに、僧が身を清めたという石風呂があり・・・

岩船寺 石風呂2


鎌倉時代のもので、これも石の遺物のひとつです。

そして、もぐままが聖地に近づくと現れる爬虫類。

岩船寺 石風呂1


さて、山門をくぐると正面にこの景色。

岩船寺 三重塔1


こぢんまりとした境内です。
三重塔は室町時代の重要文化財、十三重石塔は鎌倉時代の重文です。

左手のほうに細い道があるので入って行きます。

石室不動明王立像

岩船寺 石室不動明王


厄除け地蔵菩薩

岩船寺 厄除け地蔵菩薩


五輪塔

岩船寺 五輪塔


鎌倉時代の重文。東大寺別当平智僧都の墓と伝わります。
当尾で最大のものだそうです。
お寺の境内にも石文化がたくさん残っています。

右手が本堂なのでお参りに。

岩船寺 本堂


岩船寺は天平元年(729)聖武天皇が出雲国不老山大社に行幸の時、霊夢をご覧になり、
行基を開山として建立した阿弥陀堂が始まりと伝わります。

昭和63年に再建されたという本堂、入っていきなり仰天です(@_@;)
思いもかけない、像高が3メートルもあるという御本尊の阿弥陀如来坐像(平安時代)。
しかもケヤキの一木造りだそうです。
そんな大きなケヤキが存在するのか、っていうぐらい巨大です。
お顔は穏やかで、ずーっと眺めていて、癒されたい気分になります(*^_^*)
あまりにお優しいからか、強そうな四天王(鎌倉時代)にお守りされています。
お坊様(ご住職?)がお声掛けくださって、ご説明をいただきました。

しばらく阿弥陀様と対面していましたが、お堂をぐるりと一周。
阿弥陀様の裏手にはちょっとミニチュアタイプの十二神将がいらして
かわいらしかったです。

で、御朱印をいただこうと並んでいたら、象に乗られた普賢菩薩様が描かれた
オリジナル御朱印帳があったのですが・・・
その時は深く考えなかったのですが、本堂内で拝見した憶えがない・・・。

岩船寺は鎌倉から江戸末期まで興福寺一乗院の末寺でありましたが、
明治14年に西大寺(真言律宗)の末寺になったということです。

どうやら、普賢菩薩騎象像(平安時代・重文)は「西大寺展(HP)」に出陳中で
お留守だったようです。
もぐまま、ちょっと記憶がアヤシくはなっているのですが、「西大寺展」の東京展で
お会いしていたみたいです゚(´~`ヾ)

御本尊で御朱印をいただきました。

岩船寺 阿弥陀如来 御朱印


素敵です~♪

境内をもう少し。

阿字池

岩船寺 三重塔2


三重塔

岩船寺 三重塔3


三重塔の奥に鐘楼がありました。

岩船寺 鐘楼1


報恩の鐘
いかされていることに感謝
心をこめてお撞きください
合掌

とあります。

先にお参りしちゃったから、「出鐘」(でがね・お参りの功徳がなくなる)に
なってしまうので、躊躇していたら、もぐぱぱはそっこーで撞いていました。
(撞ける鐘があったら必ず撞く主義らしい。)
まあ、もぐままも感謝の気持ちでゴーン ( ̄人 ̄)

梵鐘をCASIO EXILIM EX-ZR3200のアートモードで。

岩船寺 鐘楼2


三重塔からの境内の眺めがまた素晴らしく。

岩船寺 境内


ピンク色のサルスベリが咲いています。
岩船寺は最盛期には39の坊舎があったそうですが、今はこんなに小さなお寺です。
でも、仏像も庭園も、とーっても素敵!
また違う季節に再訪したいです(*^_^*)


(8月18日参拝)


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Author:もぐまま
大阪市出身、横浜市在住。しがない主婦が寺社巡礼に目覚める。人生のたそがれを感じる今日この頃、幕末歴女のもぐ娘や鉄分多めのもぐぱぱを道連れに、あの世とこの世の狭間を旅します(笑)。
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