聖武天皇勅願所 西国薬師 第17番 国分寺

日本一長いアーケード商店街として有名な大阪・天神橋筋商店街。
その商店街の北端にあたるのが天神橋筋六丁目で、ほど近いところに
西国四十九薬師霊場の第十七番札所・護国山 国分寺(こくぶんじ)はあります。
地元では長柄(ながら)国分寺と呼ばれています。

長柄国分寺2


2016年の真田丸ブームで、大阪の土地を見て回ったり、改めて生まれ育った大阪のことを
学んだのですが、大阪城のある上町台地の北側は湿地になっていて
北の守りとなっている、と聞いたと思ったのですが、国分寺の寺伝によると、
斉明天皇の頃(655年)先帝の孝徳天皇の菩提を祈るために建立された長柄寺が
起源ということです。
長柄と呼ばれてきたこのあたりは淀川と旧淀川(大川)に囲まれた土地で、
そんな古い時代に人が住めたのかなぁ、と思ったのですが、天満砂州と呼ばれる
川の沖積作用でできた砂地が広がっていたようです。
「雉も鳴かずば撃たれまい」という諺がありますが、古代の長柄橋の悲しい
人柱伝説から来たものだというのも初めて知りました。

入口となっているところに、「聖武天皇勅願所」「真言宗国分寺」とあります。

長柄国分寺1


天平13年(741)聖武天皇の国分寺創建の発願により、長柄寺は摂津之国国分寺と
なりましたが、大阪夏の陣、明治の廃仏毀釈や室戸台風、大阪大空襲などで、
荒廃、縮小を繰り返し、昭和22年(1947)に真言宗国分寺派本山となりました。

長柄国分寺は「摂津八十八ヶ所」「近畿三十六不動尊」「おおさか十三佛」
「西国四十九薬師」の札所です。

長柄国分寺3


入口を入ったところに厄除水かけ不動尊。

長柄国分寺 水かけ不動


外から見えた鐘楼がつけるのかどうか気になったので・・・

長柄国分寺 鐘楼


鐘をつく場合は参拝前につくべきで(入り鐘)、参拝後につくと出鐘といい
祈願した意味がなくなってしまうそうなので、最近は気を付けています。

鐘の下にあるお堂、気になって見てみると、天六ガス爆発慰霊堂となっていて、
昭和45年(1970)4月8日夕刻に起こったガス爆発事故での死者79名を
慰霊するお堂となっていました。
少し悲しそうな表情のお地蔵さまが祀られ、納骨堂のようになっていました。
ああ・・・もぐままはまだ子供でしたが忘れられない大事故です。
地下鉄谷町線天神橋筋六丁目駅工事現場で起きた悲惨なガス爆発事故で、
2時間前に祖父と祖母が現場を通り、いつものことなら父が勤務先から帰宅する
途中で現場を通るはずが、残業をしていて巻き込まれるのを免れたのです。
長柄国分寺に犠牲者がお祀りされていたのですね。
祈りを込めて慰霊の鐘をつきました。

昭和金堂

長柄国分寺 本堂


昭和40年に落慶された昭和金堂のご本尊は日光・月光菩薩を脇侍とした
薬師如来(薬師三尊)で、西国薬師の札所はここということになるのでしょう。
十二神将と四天王もお祀りされているようです。

護摩堂

長柄国分寺 護摩堂


護摩堂の本尊は不動明王なんですが、裏手にイチョウの木が見えていて
なんだか行けるっぽい。

右手の細道を入っていくと・・・

をを・・・こんなところに・・・

長柄国分寺 みのり不動尊1


みのり不動尊というのですね。

長柄国分寺 みのり不動尊2


ちょっとお茶目なかんじの怖くないお不動さまです(*^^*)

現在は真言宗のお寺なので境内には弘法大師像も。

長柄国分寺 弘法大師像


御朱印をいただきました。

長柄国分寺 西国薬師 御朱印


納経所で薬師寺のご本尊の御影を貼った紙面が目に入り・・・

長柄国分寺 薬師寺の薬師如来の御影


バインダー方式の御朱印帳の1ページ目にちょうどいいな、って
こちらもいただきました( *´艸`)

長柄国分寺の前は公園になっていて、こちらには天六ガス爆発事故犠牲者の
慰霊碑がありました。

天六ガス爆発事故犠牲者の慰霊碑


こちらにも祈りを捧げました。
子供の頃から心の中にずっと引っ掛かりを感じるような事故だったので、
思いがけず長柄国分寺において哀悼の気持ちを捧げることができて、
少しつかえが治まるような気持になれました。


(1月19日参拝)


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日野家菩提寺、親鸞誕生の地 西国薬師 第38番 法界寺

萬福寺の京阪黄檗駅から六地蔵駅へ移動。
バスに乗って(宇治・伏見1dayチケット区間外)西国薬師第三十八番札所の
法界寺(ほうかいじ)へ。
最寄りバス停はいくつか利用できます。

山門

法界寺 日野薬師 山門


ひのやくし(日野薬師)と出ていますが、外観からして非常にこぢんまりとした
お寺のようです。

山門をくぐると、左手に阿弥陀堂、右手奥に薬師堂が見えます。

法界寺 日野薬師 阿弥陀堂と薬師堂


山号は東光山、真言宗醍醐寺派のお寺です。
通称は「日野薬師」「乳薬師」。

法界寺 日野薬師 庭園1


冬枯れですが、そこそこの広さのある蓮池です。

法界寺 日野薬師 庭園2


池の脇には弁財天のお社。

法界寺 日野薬師 庭園3


境内を拝観させていただくには拝観料が必要とのことで、寺務所に行ってみます。
いただける御朱印の一覧が掲示されていました。

法界寺 日野薬師 御朱印一覧


ご本尊の薬師如来、御詠歌、阿弥陀如来があるようです。

チャイムを鳴らすとご住職(おそらく)がお出ましになり、また、
書き手のかたが西国薬師の御朱印に日付を入れてくださり、いただきました。

法界寺 日野薬師 西国薬師御朱印


阿弥陀堂(国宝)

法界寺 日野薬師 阿弥陀堂


ご住職が阿弥陀堂を案内してくださいました。
お堂正面左脇から入らせていただきます。
もぐまま、境内が小さそうだからとちょっと油断してました(;・∀・)
建物は鎌倉時代初期の国宝です。

法界寺は藤原氏の一族である日野氏の菩提寺で、弘仁13年(822)藤原家宗が
慈覚大師円仁から贈られた伝教大師最澄自作の薬師如来の小像をお祀りしたのが
始まりとされています。

平安時代後期の永承6年(1051)日野資業(すけなり)が薬師堂を建立、薬師如来を作って、
その胎内仏として最澄の薬師如来の小像を納め、寺としました。
当時は少なくとも5体の丈六の阿弥陀如来像が存在し、多くの堂塔が並ぶ
大寺だったようですが、現在は本堂の薬師堂と阿弥陀堂を残すのみです。

阿弥陀如来(国宝)

法界寺 阿弥陀如来

(画像はパンフレットより拝借しました)

阿弥陀堂の本尊、藤原時代の阿弥陀如来坐像は国宝です。
薄暗い正方形の堂内の中で光を放つような神々しさ。
思わず、ほー、と声が出てしまうほどでした。
体格の良い堂々たる丈六仏で、上品上生印(弥陀定印)を結んでおられます。
平等院鳳凰堂の本尊に最も近い、典型的な定朝様式です。
天蓋もきれいに残っており、また、阿弥陀如来を取り囲むように、
飛天が描かれています。
4本の支柱にも金剛界曼荼羅の諸仏などが描かれ、突然に
小宇宙に飛び込んだ如くの気分になりました。

法界寺の本堂の薬師堂には自由に参ってくださいとのことでしたので、
そちらに参ります。

薬師堂(重文)

法界寺 日野薬師 薬師堂


堂内は撮影禁止で、重文で秘仏の薬師如来の写真が掲げてありました。
伝教大師作と伝わる胎内仏が納められた薬師如来は、西国薬師霊場第三十八番の
札所本尊でもあります。
高さ88センチ、衣文に素晴らしい切金模様が施されているということです。
驚くべきことに、お堂の壁面は赤ちゃんのよだれかけで埋もれています。
胎児を宿す妊婦の姿と重なるお薬師さまは、安産、授乳、子育てのご利益があるとされ、
若い女性の信仰を集めています。
そのため、日野薬師は乳薬師とも呼ばれます。
1月14日の日野の裸踊りでは、阿弥陀堂広縁で少年と青壮年の2組が、
裸で両手を合わせて「頂礼(ちょうらい)、頂礼」ともみ合いながら祈願をするそうで、
その踊りに用いられた下帯を妊婦さんの腹帯にする信仰もあるそうです(*^^*)

さてこの法界寺を建立した日野資業の子孫である日野有範(ありのり)の長男として、
承安3年(1173)浄土真宗の開祖・親鸞が法界寺で誕生しています。

昭和6年(1931)に親鸞誕生の地を記念して、近くに、本願寺の飛地境内地として
日野誕生院(ひのたんじょういん)が建立されたとのことですので、
せっかくですから行ってみます。

日野誕生院

日野誕生院1


法界寺から歩いてほんの数分のところにありました。

日野誕生院2


石段を上がっていくと本堂がありました。

日野誕生院3


平安時代初期の建築様式の回廊式の本堂になっています。

日野誕生院5


眺めの良い高台で、鐘楼がありました。

日野誕生院4


親鸞童形像

日野誕生院6


6歳の姿を写した銅像です。

親鸞聖人歌碑

日野誕生院7


『明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは』
得度式に詠んだ和歌だそうです。

寺務所的な建物はありましたが無人のようで、いずれにせよ、浄土真宗の寺院ですので
御朱印はいただけないと思います。

境内地西側に「産湯の井戸」と、聖人のへその緒を納めた「胞衣塚(えなづか)」が
あると案内板にはあるのですが、さて、周囲を見て回っても見当たらず・・・。

「日野誕生院」のバス停からのバス待ちの時間があったので、
ちょっと法界寺の方向へ戻ってみようかな、と。
すると・・・

日野誕生院 法界寺 親鸞えなづか


ああ、こんなところに。
法界寺の駐車場の裏で、保育園の敷地に接したところに、うぶ湯の井戸とゑな塚は
ありました。
中には入れないのですが、見つかって嬉しかったです(*^^*)

ここは京都市伏見区になりますが、住宅地にある何気ないお寺に見えるのに、
とんでもなく深いご由緒があるというのが、京都の恐ろしいところでありますね(゚д゚)


(1月18日参拝)


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大阪市出身、横浜市在住。しがない主婦が寺社巡礼に目覚める。人生のたそがれを感じる今日この頃、幕末歴女のもぐ娘や鉄分多めのもぐぱぱを道連れに、あの世とこの世の狭間を旅します(笑)。
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