国宝の威光を放つ寺 坂東観音第22番 佐竹寺

もぐままの坂東三十三観音巡礼、とうとう宿泊を伴う巡礼地へと
足を延ばすこととなりました。
マイカーで、といえど、坂東の最難関の札所を目指す
最もチャレンジングな巡礼となりそうです。

梅雨入りの前に、ワールドカップサッカーの前に、
(ワールドカップが始まると、ドライバーのもぐぱぱさんが
テレビ観戦のため運休されます(笑))、
ワールドカップ明けには、きっと厳しい夏が待っています。
ワタクシ、もぐままが運休に入ります(´・ω・`)

午歳の年内中に結願(けちがん)を目指すため
梅雨に入るまでに、ぜひ最難関をクリアしておきたかったんです。
直前に宿を取るというのが困難なところのようだったので
宿泊所を予約したら・・・先に梅雨に入ってしまいましたヾ(・ω・`;)ノ
そして、いきなり記録的な雨量の大荒れの梅雨入りとなり・・・。

さてさて、もぐままのドタバタ坂東観音巡礼、
どうなりますことやら。
6月7日(土)、茨城方面へと出発です!

傘マークひとつの天気予報通り、雨が降る中、高速を走ります。
雨のおかげ?か、行楽地に向かう人が少ないのでしょう、
渋滞ひとつかからずに、茨城県入りができました。

まずやって来たのは、茨城県常陸太田市にある
坂東第22番札所の佐竹寺(さたけでら)、別名北向観音(きたむきかんのん)。

仁王門

佐竹寺1


さきほどまで降っていた雨が、ほぼ上がっていました。
観音さまのご加護でしょうか(*^_^*)
下調べしていると、規模の小さなお寺であまり見るべきものがないのかな、
なんて思っていたんですが、なんのなんの、そんなことはなかったのです。

先に反応したのはもぐぱぱさん。
「おっ」っていう感じで、「えらく古びて、えらく荒れている・・・。」
もぐまま「こんな寂れたかんじのお寺のほうが味わいがあるよねぇ。」

佐竹寺2


もぐぱぱ「屋根瓦が崩れてるよ・・・。」
(「落下物注意」の看板が。)

しかし、気付いたのです。

佐竹寺3


この荒れたお寺の本堂が「国宝」。
「こくほー!」 (◎o◎)

ちょっとウィキを調べてみたんですが、

「国宝」という語の指す意味は文化財保護法施行(1950年(昭和25年))以前と以後とでは異なっている。文化財保護法施行以前の旧法では「国宝」と「重要文化財」の区別はなく、国指定の有形文化財(美術工芸品および建造物)はすべて「国宝」と称されていた。
(・・・)
文化財保護法施行の日である1950年(昭和25年)8月29日付けをもってすべて「重要文化財」に指定されたものと見なされ、その「重要文化財」の中から「世界文化の見地から価値の高いもの」で「たぐいない国民の宝」たるものがあらためて「国宝」に指定されることとなった。混同を避けるため旧法上の国宝を「旧国宝」、文化財保護法上の国宝を「新国宝」と通称することがある。


現在では、佐竹寺の本堂は、国の重要文化財という指定のようですが、
旧国宝であることは間違いないのでしょう。

仁王像(金剛力士像)

佐竹寺4 佐竹寺5


ムキムキマッチョ、筋肉には血管の筋。

本堂(観音堂)

佐竹寺6


ものすごくりっぱな茅葺きの屋根です!

佐竹寺7


寛和元年(985)花山法皇の命により元密上人が創建。
法皇護持の聖徳太子作と伝わる十一面観音を祀り、
現在も秘仏としてその観音さまが祀られています。
佐竹寺は佐竹氏発祥の寺で、
初代佐竹昌義はこの寺で奇竹を発見し、これぞ出世の瑞兆なり、と
源姓を佐竹に改めたという伝承があるそうです。

仁王門の扁額の上に掲げられていた赤月印に五本骨扇は
佐竹氏の軍扇です。

佐竹寺8


天文15年(1546)佐竹18代義昭が佐竹城の鬼門除けとして
現在の地に再建し、北向(きたむき)観音と呼ばれます。
本堂は桃山建築の先駆けの唐破風(からはふ)、
見事な花頭窓(火灯窓・かとうまど)や海老虹梁(えびこうりょう)などを配し、
これが国重文たるゆえんなのでしょう。

本堂の唐破風と観音様、お地蔵様

佐竹寺9


花頭窓

佐竹寺10


彫刻がなされた木鼻(きばな)と海老虹梁、ユニークな丸窓

佐竹寺11


本堂の扉からは午歳のお手綱が出ています。

お手綱と鰐口(わにぐち)

佐竹寺13


外側から丸窓を覗いてみます。
やっぱりワンダフル(!)な佐竹寺ヽ(*´∀`)ノ

佐竹寺12


しかし・・・お気づきのかたはあるでしょうか?
遠景での本堂の写真に倒壊した灯籠が写っています。

これです。

佐竹寺14


2基共に全壊です。
新しく倒れたように見えます。
それまでのドライブで、東日本大震災の被災の様子はあまり感じられないね、と
もぐぱぱさんと話をしていたのですが
(もぐぱぱももぐままも関西出身で、阪神淡路の後、
もぐぱぱの実家は被災し、また街中がブルーシートに覆われ尽くしていたのを
見ています)
これは東日本の被災の爪跡なのではないか?と。
調べてみたら、やはりそのようです。

しかし、本堂が国の重要文化財であるにもかかわらず、
それを取り囲む建造物の傷みがそのままになっているというのは
どういうことなのでしょう。
きっと予算が下りないのでしょうね。
それでも、明治維新の廃仏毀釈で荒廃したお寺をここまで
復興させたのは前住職の努力があったからだそうです。
佐竹寺では、拝観料もお取りになりませんし、
なんだかとても複雑な気持ちになりました。

もぐままはお金持ちではありませんし、ただのにわか巡礼者です。
何のお役にも立てそうにないのですが、せめてブログにこの事実をしたためて、
ひとりでも多くのかたがお寺に興味を持ってくださり、お参りをして、
御朱印や授与品をいただかれて、何かしらのお寺の寄与になればと思います。
鎌倉のお寺も、あちこちで修復工事が行われ、ご寄付を募られていますよね。
自分の子や孫の世代まで、こういった歴史的遺産ができるだけ多く
残っていて欲しいと願うばかりです。

御朱印をいただきました。

坂東二十二番
佐竹寺
大悲殿
午歳結縁

佐竹寺15


御朱印所で、ご年輩の大おばあさまが奥から出て来られ、
丁寧に丁寧にゆっくりと書いてくださいました。
家ねこちゃんが何匹かのっそり現れました。
御朱印のお礼を申し上げ、御朱印所を出て少し歩いたところで、
もぐぱぱさんが、「ねこが一匹一緒に出てきた」と。
「は?私、気付かずに扉を閉めて出てきちゃった。」
また雨が降り出しました。
ねこちゃんがすぐに中に入れてもらえていますように。


(追記)

2016年9月25日、東日本大震災からの一連の修復作業が終了し、
法要が行われたようです。
輝かしいお寺に戻ったことでしょう。
心から嬉しく思います(*^_^*)

2016/09/26 茨木新聞 
仁王尊像、待望の復旧 常陸太田・佐竹寺、大震災で損傷

常陸太田市天神林町の佐竹寺で25日、東日本大震災で被災し修復作業を終えた仁王尊像の入仏式が行われ、地域の住民ら約40人が復旧を祝った。江戸時代中期に造られた2体の仁王尊像は、屋根瓦が崩落した仁王門と合わせ5年半ぶりに復旧。地域の歴史遺産を残そうと住民たちが尽力し、関係者は「感無量」と喜んだ。
(・・・)


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ついに到達!坂東最大の難所 坂東観音第21番 日輪寺

佐竹寺を出て、近隣では袋田の滝が有名な
大子(だいご)という町を目指して北上します。
浪速っ子のもぐまま、今までこちら方面にはまったくご縁がなく、
未踏の地を車で走ります。

日輪寺1


車窓からはかなり高い山々、並走するJR水郡線と久慈川が見えます。
水郡線(水戸-郡山)は「奥久慈清流ライン」とも呼ばれるそうで
電化されていない単線です。
山肌にへばりつくように線路が走っており、写真で向こう側に見えるのは
久慈川にかかる水郡線の鉄橋です。
本数も少ないのでしょう、結局一度も水郡線の列車を見ることは
ありませんでした。
久慈川ではこの雨の中、渓流釣り(鮎釣り)をする人がありました。

坂東三十三観音最難の札所、日輪寺は、茨城・福島・栃木の3県に
またがる八溝(やみぞ)山(標高1022メートル)の8合目、約300メートル
下がったところにあります。

昔から、「八溝知らずの偽(にせ)坂東」といわれ、
山里の遥拝所で参拝を済ませる巡礼者もいたそう。

登山ドライブの前に、大子の「道の駅」で休憩です。

日輪寺2


こちらの道の駅「奥久慈だいご」は、2階が温泉施設になっています。
軽くお昼ごはん。
もぐままは、奥久慈の名物という奥久慈しゃものカレーうどん。

日輪寺3


さあ、いよいよ山岳ドライブに出発!
車を数十分走らせ、まず八溝林道の入り口へ。

日輪寺4


ありがたいことにトイレがあり、また湧水もありました。

日輪寺5


八溝山には、八溝川湧水群があり、これはできたて(!)のお水ですね(*^_^*)

この付近までバスが来ており、歩いて登山する人は
ここから2時間かけて日輪寺に向かいます。

日輪寺13


茨城交通、蛇穴(じゃけつ)行きバスの終点。
平日5本、土曜4本、日祭日は1本もなし!!
土曜日登山のかたは、何が何でも16:15の最終便に間に合うように
下山しなければなりません(考えただけでも冷汗)。

私たちは車で鳥居をくぐって、林道を走ります。

日輪寺6


まだ雨も降っていますし、道幅が車1台分しかないような細い山道、
木の枝が通せんぼしていたり、靄(もや)がかかって先が見えなかったり・・・
うねるように山を上がっていきます。
ああ、無事到着できるのか、ちょっと不安ですヾ(・ω・`;)ノ


途中で絶景ポイント!
車を止めるスペースがあり、車を降りました。

日輪寺7



日輪寺8


これ、写真では平坦に見えてしまい、全然伝わらないんですが、
気が遠くなるような、ものすご~~~い急斜面の絶壁です。
何と言いますか、船越英一郎さんに追い詰められそうなところ(笑)。
もぐぱぱがもぐままに殺意を抱いていないことを心で祈る。

高所恐怖症のもぐまま、写真を撮るにも足がすくんでしまい動けず。
とっとと先へ急ごうと、もぐぱぱさんにお願いしました。

そして、日輪寺への案内板を探しながら
とうとう到着です!

日輪寺8


車でのお参りのご夫婦が1組出ていらっしゃいました。
なんと同じく横浜からだそうです。
そして、もぐまま同様、奥様がものすごく怯えていらっしゃいました。
いや~、ほんとに雨の中、無事到着できるのか心細かったですもん(´・ω・`)
無事の下山をお祈りしてお別れしました。

まずはお参りです!
ご住職がいらっしゃり、本堂の中に入れていただきました。
こぢんまりとした現代的な本堂に見えますが、
日輪寺は不遇なお寺で、何度も山火事に見舞われ、
現在の本堂は昭和48年に再建されたものです。
中は意外と広く、ご本尊の十一面観音はご開帳されていたようです。
お参りの後、御朱印をいただきました。

坂東二十壱番
八溝山 日輪寺
大悲殿
午歳結縁

日輪寺9


八溝山日輪寺は天武天皇の時代(673)に
役行者(えんのぎょうじゃ)が草創。
大同2年(807)弘法大師が十一面観音を刻んで本尊とし再興。
鎌倉時代には源頼朝が寺領を寄進して信仰、
室町時代には総欅造りの大伽藍であったようです。
こんなに深い山のてっぺんに大きな寺院など
現代の感覚ではなかなか理解しがたいですね。

ご住職のお話では、かつては巡礼者は、大子から40キロ歩いて
お参りされていたようです。
我々は険しい林道を走ってきましたが、
県道248号(八溝山公園線)は、地図では通行止めとなっていたんですが、
今年に入って全線開通したそうです。
下山はこの県道を利用します。

小さな境内を見て回ります。

観音像

日輪寺10


弁財天の石碑とお馬さん

日輪寺11


かなり荒れていますが、何のお堂でしょうか。

日輪寺12

(追記:ブログのお仲間、よくろべさん情報によりますと、
新しい観音堂ができるまで、ご本尊の観音様を安置していた
大正4年に建てられた仮堂、とのことです。)

さて、下山します。
県道は近道ですし、林道に較べてかなり快適な道でした。
途中、崖崩れ止めのような新しい整備が見られました。

バス道に出てきました。
あーっ、これは蛇穴に向かう最終バス!

日輪寺14


乗客はひとりもいません。
そして・・・おそらくこんな酷い天候で登山されているかたは
ほとんどないと思われますので、また空っぽで折り返しでしょうか。


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Author:もぐまま
大阪市出身、横浜市在住。しがない主婦が寺社巡礼に目覚める。人生のたそがれを感じる今日この頃、幕末歴女のもぐ娘や鉄分多めのもぐぱぱを道連れに、あの世とこの世の狭間を旅します(笑)。
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